薬局業務の中で重要な課題の一つに、在庫管理があります。
適切な在庫管理を行うことで無駄なコストを削減し、患者様の信頼を得ることができます。
しかし、実際の業務では「どのように効率的な管理を進めるべきか」悩まれることも多いのではないでしょうか?
本記事では、薬局の在庫管理における基本的な考え方やコツをご紹介するとともに、一度設定すれば自動化できるGAS(Google Apps Script)を活用した効率化の方法も解説します。
これを読めば、あなたの薬局業務が一段とスムーズになるヒントが見つかるはずです!
在庫管理の目的
在庫管理の主な目的はずばり”無駄なコストを減らすこと“です
無駄なコストを減らすこと
売上から原価を差し引いた利益を最大化するためには、過剰な在庫は避けなければなりません。
必要以上の在庫を抱えると、資金の無駄遣いや薬の廃棄リスクが増大し、結果として赤字につながります。
欠品が頻発すると、スタッフの対応する時間が増え、時がコストも発生します。
欠品時に郵送対応を提案することもありますが、そこにも郵送代や時間コストが発生します。
在庫管理の考え方
無駄なコスト削減を防止という目的を達成するために、在庫管理の基本的な考え方を押さえましょう。
最適な在庫量の確保
在庫は減らせば良いわけではありません。必要最低限の量に少し余裕を持たせることが重要です。
私は在庫管理をする際に以下の2点に関して重点を置いてます
在庫管理の具体的な方法
在庫管理のプロセスは大きく以下の3つに分けられます。
以下、それぞれについて具体的に解説します。
発注点管理
- 方法: 上位30%のよく出る薬を特定し、一定の基準を下回った場合に発注する
- 例: 門前医療機関がある場合は需要が高い薬を月の使用量に基づき管理
よく出る薬は固定発注点を設定しますが、一定の基準を決めるためのルールが大切です
使用量管理
- 方法: 高額な薬を対象に、過去の使用データをもとに必要量を見積もる
- 例: 抗がん剤や新薬など1錠あたりの基準金額を超える薬を重点的に管理(例えば1錠500円以上の薬は毎月処方量をチェックする)
ある一定の薬価以上の薬は患者が離脱していないか定期的にチェックする必要があります
発注方法の管理
- 方法: ラスト1箱を開けたら発注するというシンプルなルールを設定
- 例: コストが低く使用頻度が低い薬に適用
薬価が安い薬に時間を割いていては時間コストが在庫コストを上回ってしまうため、ここにはなるべく労力をかけない方法を設定します
GASを活用した在庫管理の効率化
在庫管理を効率化するために、私が使用しているGoogle Apps Script (GAS) を活用する方法を紹介します。
GASを初めて使う方は、こちらのブログで基本操作方法を紹介してますので参考にしてください
1. よく出る薬リストの自動抽出
GASを使用してスプレッドシートで以下を実現します:
- 過去3ヶ月間の使用量データを基に、上位30%の薬をリストアップ
- 発注点を自動計算
2. 使用頻度データの可視化
GASを使ってピボットテーブルを自動生成し、薬ごとの使用頻度を分析可能にします。
3. 発注アラート機能
在庫が発注点を下回った場合にメールで通知するシステムを構築します。
まとめ
在庫管理の効率化は、無駄なコストを削減し、患者さんの信頼を維持するために不可欠です。
上記の方法に加え、GASを活用することで、より効率的な管理が可能になります。