施設や在宅患者さんの介護保険証の有効期限が切れていて、問い合わせることはありませんか?
期限が切れる前に適切に対応することで、トラブルや業務の負担を防ぐことができます。
管理職は毎日メールのチェックをしていると思います。
そこで、本記事ではGoogleスプレッドシートとGoogle Apps Script(GAS)を使って、介護保険証の期限が近づいた際に自動的にメールで通知するシステムを構築する方法を紹介します。
このシステムにより、介護保険証の期限を見逃すリスクを軽減し、業務効率化を図ることができます。
実際に作成している手順を公開しますので参考にして作成してみてください
スプレッドシートで期限をまとめる
まず、介護保険証の有効期限をまとめるためにGoogleスプレッドシートを作成します。
スプレッドシートを作成する
- Googleドライブにアクセスし、「新規」からスプレッドシートを選択して新しいシートを作成します。
- 列を以下のように設定します:
- A列: 患者名
- B列: 介護保険証番号
- C列: 有効期限
- D列: 通知状況(後で更新するためのスペース)
サンプルデータを入力する
・患者さんの名前、有効期限などの情報を入力します。
・最後にコードを確認するため、Aはテストの患者様を入れて有効期限を30日以内の日付にしてください。
・この段階では手動で更新しても良いですし、他のシステムからデータを取り込むのでも大丈夫です。
GASを使ってメール通知を作成する
次に、介護保険証の有効期限が近づいた際に自動的にメール通知を送信するスクリプトを作成します。
今回は公開しているコードをそのままコピーしてみましょう!
スクリプトエディタを開く
- スプレッドシートのメニューから「拡張機能」→「Apps Script」をクリックし、スクリプトエディタを開きます。
スクリプトを記述する
以下のスクリプトを記述していきます。
このスクリプトでは、指定した日数前に有効期限が近づいている患者さんメールで通知します。
function sendReminderEmails() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName('シート1'); // シート名を指定
var data = sheet.getDataRange().getValues();
var today = new Date();
for (var i = 1; i < data.length; i++) { // 1行目はヘッダー行なので2行目から始めます
var name = data[i][0];
var insuranceDate = new Date(data[i][2]);
var daysUntilExpiration = Math.floor((insuranceDate - today) / (1000 * 60 * 60 * 24));
if (daysUntilExpiration <= 30 && data[i][3] !== '通知済み') { // 期限が30日以内かつ通知がまだの場合
var emailAddress = 'example@example.com'; // メールアドレスを指定
var subject = '介護保険証の有効期限が近づいています';
var message = name + 'さんの介護保険証の有効期限が' + daysUntilExpiration + '日後に迫っています。';
MailApp.sendEmail(emailAddress, subject, message);
sheet.getRange(i + 1, 4).setValue('通知済み'); // 通知状況を更新
}
}
}
実際に貼り付けると以下の状態になると思います
・”実行”の左にある保存ボタンを押します。
試しに実行してみる
・実行ボタンを押してエラーが出ないか確認します。
下記の画像のようなエラーが出た場合は以下の操作をしてください。
このエラーはこのGASが信頼できるものかを確認するために最初に表示されます。
2回目以降は出てきませんので安心してください。
・“権限を確認”を押します
・“詳細”を押します
・“無題のプロジェクト(プロジェクトの名前が載ります)に移動”を押します。
・“許可”を押します
・この画面が出た場合は成功になります。
実際に送られてきた結果
以下は期限の30日前になった場合に送られてくる実際のメール画像です
トリガーを設定する
毎日実行ボタンを押すことは非効率のため自動で毎日実行する設定を行います
- 「トリガー」メニューから新しいトリガーを追加し、スクリプトが毎日自動的に実行されるように設定します。
- これにより、毎朝指定の時間にスプレッドシートが確認され、期限が近い患者さんについて自動的にメールが送られます。
・Apps Scriptのトリガーを押します。
・“トリガーを追加”を押します。
・イベントのソースを選択の時間主導型を選択します。
・日付ベースのタイマーから指定した時間を設定します。
・これで毎日指定した時間にコードが実行されることになります。
メールを定期的に確認する
システムが正常に動作するように、受信したメールを定期的に確認し、必要な対応を行います。
また、スプレッドシート内のデータも随時更新しておくことが大切です。
まとめ
今回のシステム構築により、介護保険証の期限管理が大幅に効率化され、見落としが減ることで業務がスムーズに進むようになります。
シンプルな手順で導入できるため、すぐにでも試してみてください。
今後は、このような自動化ツールを他の業務にも応用してみることをお勧めします。